見本 サンタさんとコットンボールのまほう

この文字の部分に、お客様のデータが入ります
表紙・本文の画像をクリックすると、大きな画像を見ることができます

表紙

サンタさんとコットンボールのまほう

文:弓月やよい
絵:北森紀子

レイくん

サンタクロースより

あたたかい お部屋で もみの木に かざりつけを しているのは レイくんです。
「最後の仕上げを しなくっちゃ」
レイくんが 枝に 綿をのせると 
青々とした木は 雪のつもった すてきな クリスマスツリーに なりました。

レイくんが クリスマスツリーを ながめていると
「りりん!」と ベルの音が しました。
ツリーに かざった ベルが ゆれたのです。
いいえ ベルだけでは ありません。 枝が ゆさゆさと ゆれています。
「りりりん!」
さっきより 大きな音が 鳴ったときです。
綿の中から まんまるな綿が 飛び出してきました。
「はじめまして レイくん!」
「どうして なまえを 知ってるの?」
レイくんは びっくりして ききました。
「ぼくは サンタの国の わたひつじ。
サンタさんはね、世界中の 子どもたちのこと なんでも 知っているよ。
レイくんは 心のやさしい子だって サンタさん いつも 言ってるもの」
レイくんは なんだか うれしくなりました。

きょうは レイくんに お願いがあって来たんだ。
サンタさんの おてつだいを してくれないかな?」
「えっ、おてつだい? サンタさんに 会えるの?」
「もちろん!」
レイくんの 胸は ドキドキしてきました。
レイくんは 「やってみるよ」と 元気よく 答えました。
「ありがとう! サンタさん きっと よろこぶよ。急いで 知らせに もどらなきゃ!
じゃあ イブの日に むかえに くるからね。 そうだ、この本を 貸して あげるよ」
そういうと わたひつじは 1冊の本を おいて 綿の中に 消えていきました。
「サンタさんの おてつだいって どんなことを すればいいのかな?」
レイくんは わたひつじが おいていった 「サンタクロースのすべて」という 本をひらきました。

レイくんが ひらいたのは サンタの国の お約束の ページでした。
1 寒さにまけない 元気な体をつくる
2 自分の大好きな人達を 大事にする
3 うそをつかない
「サンタの国にも いろんな お約束があるんだ・・・
いつも 元気でいるためには どうすればいいのかな?
大好きな人を 大事に・・・そうだ!」

まず、レイくんは その日から ごはんを いっぱいたべました。
おにくも おさかなも おやさいも。
にがてなものだって がんばって 残さずに たべました。
それから レイくんは お家の おてつだいを たくさんしました。
少しでも サンタさんの おてつだいの 練習になると 考えたからです。
お家の人は にこにこして 「レイくん ありがとう」って いってくれました。
レイくんは 「サンタクロースのすべて」を 毎日 読みました。
それは お約束の 他にも 「ソリの乗り方」や  「プレゼントを配る方法」が 書いてある、サンタさんのための  ふしぎな本だったのです。

いよいよ イブの日です。
また 綿の中から わたひつじが やってきました。
レイくん メリークリスマス!  さあ サンタの国へ 行こう」
「どうやって 行くの?」
「コットンボールのまほうを 使うんだよ。綿を まんまるにしてみて」
レイくんは クリスマスツリーから 綿を 少しとって ころころと コットンボールを つくりました。
「目をとじて ほうりあげるんだよ。いいかい? 1、2の3!」
レイくんは ギュッと 目をつぶって、コットンボールを ほうりあげました。

「ようこそ レイくん
レイくんが 目をあけると そこには サンタさんが 立っていました。
「待っていたよ レイくん。きょうは きてくれて ありがとう」
「ここは サンタさんの お家だよ。これは ぼくが 生まれた コットンツリー」
わたひつじが とくいそうに いいました。
サンタさんが 指を ぱちんと ならすと レイくんの服は サンタさんと 同じ服に なりました。
それから サンタさんは コットンボールを 一つ つみとって レイくんの 帽子の先に つけました。
「これは クリスマスの 特別な まほうのコットンボールだよ。
これがないと ソリは 空を 飛ばないからね」
これで レイくんサンタの できあがりです。

「それでは プレゼントを 配りに いくとするかな」
サンタさんは ソリに 乗りこみました。
レイくんも となりにある 小さなソリに 乗りこみました。
「それでは出発!」
レイくんが 手綱を にぎると、ソリはスーッと  うかびあがり、トナカイは ゆっくり 走り出しました。
スピードが どんどん あがります。
よこを はしっていた サンタさんが いいました。
レイくん なかなか じょうずじゃないか」

レイくんと サンタさんは 世界中の いい子たちに プレゼントを 配りました。
子どもたちの 顔を見た サンタさんは とても うれしそうです。
まほうのコットンボールの ふしぎな力は なんども レイくんを たすけてくれました。

さいごに ソリは レイくんの お家へ やってきました。
レイくんが ソリから おりると  コットンボールが はじけて 服も もとに もどってしまいました。

「まほうのコットンボールが 消えちゃったよ」
「それは レイくんの サンタクロースのお仕事が 全部 終わったからじゃよ。
今年も たくさんの 子どもたちの 顔を 見ることができたよ。ありがとう、レイくん
レイくん、ぼくのこと わすれないでね」
「もう おわかれなの?」
レイくんが たずねると サンタさんは レイくんを やさしく だきしめて いいました。
「いつでも サンタの国から レイくんを 見ているよ。
いつまでも やさしい レイくんで いておくれ」
「サンタさん わたひつじくん さよなら!」
サンタさんたちは サンタの国へ かえっていきました。

次の日の朝、レイくんは いつもより はやく目を さましました。
「えーと サンタさんと わたひつじくんと コットンボールのまほうで・・・」
サンタさんの おてつだいをしたのは ゆめだったのでしょうか?
「ゆめじゃない!」
レイくんは とびおきました。
だって レイくんの手には しっかりと コットンボールの種が にぎられていたのですから。

レイくんは 空を 見上げました。
外は とっても いいお天気です。
サンタさんみたいに あたたかい 日ざしが クリスマスの朝の街を 照らしていました。
「来年 またきてね ・・・」

(おわり)


この絵本には物語に登場した「コットンボールの種」が付いています
育て方や「わたひつじからのワンポイントアドバイス」も載っているので、ぜひ育ててみてください

©コスモ出版株式会社  当サイト内の文章・画像の無断転載・使用を禁止します