見本 はじめてのおともだち

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表紙

はじめてのおともだち

文:如月みめい
絵:籔田素世

けいちゃん

げんきいっぱい おおきくなあれ!

おとうさんとおかあさんより

あかちゃんが わらっています
ちいさな ちいさな おててを さしのべて
でも まわりには だれも いません
あかちゃんは なぜ わらっているのでしょう
それは ようせいの エリエルがいるからです

これが ようせいの エリエルです
エリエルは おとなには みえません
おにいさんにも おねえさんにも みえません
あかちゃんにだけ みえるのです
あかちゃんの いちばん はじめの おともだち
それが エリエルなのです

けいちゃんは 4月28日に うまれて  おうちに やってきました
「なんて かわいい あかちゃんだろう」
エリエルは おもいました
「めの あたりが おとうさんに にている  それとも おかあさんかな?」
エリエルは すやすや ねむっている  けいちゃんを みつめました

エリエルは けいちゃんを みにいきました
「はじめまして けいちゃん  ぼくは エリエルだよ」
おきないように そうっと ささやいたのに
けいちゃんは めを  ぱっちりと あけてしまいました
「どうしよう!たいへんだ」

「おぎゃあ おぎゃあ おぎゃあ」
けいちゃんが それはそれは おおきなこえで
なきだすと おとうさんと おかあさんが あわてて とんできました
「あかちゃんは よくなくからなあ」
エリエルは あたまを かきました

エリエルは けいちゃんに  あやまりに いきました
「こんにちは けいちゃん  きのうは ごめんね」
けいちゃんは めを まんまるくして  つぎに にっこりと わらいました
「きょうは ごきげんが いいみたいだね」
エリエルが ふわふわの ほっぺに さわると  けいちゃんは ますます にこにこしました

「はい あーんして」
おかあさんが たべものの はいった
スプーンを もっているのに けいちゃんは くちを あけません
「あーんして けいちゃん
エリエルが けいちゃんの あしの うらに さわると 
けいちゃんは くすぐったくて  くちを あけました
「いいこね! けいちゃん
おかあさんは うれしそうです

おかあさんが けいちゃんに おうたを うたいます
エリエルは おうたに あわせて おどります
けいちゃんも  ちいさい おててと あんよを たたいて おどっています

これは けいちゃんが ちらかした おへやを 
おかあさんが かたづけて いるところです
どうです すごいでしょう?
けいちゃんは おぼえたばかりの  ハイハイで 
となりの おへやに いこうとしています
きっと もうすぐ となりの おへやも  すごいことに なってしまいますよ

ぽつんぽつん・・・と ちいさな みずの つぶが 
そらから たくさん たくさん おちてきて 
けいちゃんの おへやの  まどを たたきました
けいちゃんは びっくりして  まどの そとを ながめました
「あめ、だよ」 エリエルは いいました
けいちゃんは ふしぎそうに
はじめて みる あめを  いつまでも ながめていました

エリエルが なかよしの ネコを つれてきました
「ほら、けいちゃんに ごあいさつして」
ニャアと ネコは ごあいさつしました
「にゃあ」と けいちゃんも  ごあいさつすると てを のばして
ネコの ヒゲを つかもうと しました
「あぶない! ひっかかれちゃうよ」
「にゃあ」と けいちゃんは  もういちど たのしそうに いいました

けいちゃんが テーブルに つかまって たっています
「ほうら けいちゃん こっちに おいで」
おとうさんと おかさんが てを ひろげて まっています
けいちゃん がんばって」
エリエルも おうえん しています

けいちゃんは ちいさい あしを いっぽ  まえに だしました
そして もう いっぽ 
はじめて あるいたのです

けいちゃんが おそとで たのしそうに  あそんでいます
もう あかちゃんでは ありません
ちいさい おとこのこです
エリエルは そのようすを  うれしそうに みていました
「もう あるけるように なったから だいじょうぶだね  また あそびに くるよ」
エリエルは いまでも とおくから  けいちゃんの しあわせを ねがっています
いつもいつも ねがっているのですよ

(おわり)

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